がん患者の口腔ケアで連携

平成24年10月2日の新潟日報23ページ生活より。みなさんにご紹介します。

 

県立がんセンター新潟病院(新潟市中央区)と県歯科医師会が今秋から、がん患者の口腔(こうくう)ケアに関する連携を始めた。放射線治療などで免疫力が低下するがん患者に、合併症や感染症予防の適切な口腔ケアを行うため、共通認識の下、情報を共有する取り組みだ。早ければ11月にも歯科医らを対象とした研修会を始め、連携を本格化させる。

口の内にはたくさんの細菌がいるため、手術後や化学療法中に肺炎や敗血症などの感染症にかかったり、口内炎や口内乾燥などの合併症が起こったりする恐れがある。あご骨の壊死(えし)につながることもあるという。

予防のためには、がん患者の手術前後に虫歯の治療や歯石の除去といった口腔ケアを行うのが有効だ。特に、口に密接に関わる頭頸部(とうけいぶ)がんや食道がんで効果が期待され、患者の生活の質も高まる。

連携事業では、開業する歯科医や歯科衛生士にがんの病状や治療法などを学んでもらい、研修を修了した歯科医として登録。がんセンターの医師が患者の治療内容を登録歯科医と共有し、登録歯科医が口腔ケアに当たる。

同様の医科歯科連携はもともと、国立がん研究センターと日本歯科医師会が2010年度に関東地方で始めた。先行事例のデータでは、頭頸部がん手術後の合併症発症率は口腔ケアをしない場合が64%で、ケアをした場合は16%に抑えられた。感染率や入院日数にも効果が表れた。

県立がんセンター新潟病院は、日本歯科大新潟病院(新潟市中央区)と既に20年以上前から同様の取り組みを行っている。乳がんを患い、1年ほど前から口腔ケアを受けている同市西区の女性(49)は「医師と歯科医の情報共有が密だと、自分の苦しみや困りごとが伝わる。体調が悪くなったらより近い歯科医で受診できるとありがたい」と話す。

日本歯科大新潟病院の田中彰医師は「がんの治療後も口腔ケアを継続することが重要。がん患者の口のトラブル全般を見ていきたい」と話している。

県内には県立がんセンター新潟病院のほかに、新潟、新発田、長岡、上越の4市に「がん診療連携拠点病院」が計8カ所ある。今後はこれらの病院と地元歯科医も連携事業を進めていく予定だという。

 

 

 

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